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光力学診断(Photodynamic Diagnosis: PDD)を用いた経尿道的膀胱腫瘍切除術について


光力学(PDD)を用いた経尿道的膀胱腫瘍切除術

早期の膀胱がんに対し経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)という尿道からカメラを挿入して腫瘍を切除する手術が一般的に行われています。しかしTUR-Bt後の膀胱がんの膀胱内再発率は40-50%と高い確率で再発します。この高い再発率を改善するために近年光力学診断(PDD)を用いたTUR-Btの有効性が示され保険適応となりました。
具体的には5-アミノレブリン酸(5-ALA)という薬を術前に内服すると手術中に青色の光を当てることでがん細胞が桃色の発光をする(写真 1)ため、がんの範囲がわかりやすくなり、また小さながんの見落としを減らすことができるようになります。

写真1

光力学診断(PDD)の原理

5-ALAはアミノ酸と言われる物質の一種で、動植物において体内でも作り出され利用されています。5-ALAは水に溶けやすく、口から摂取されると速やかに体内に吸収されます。そして体内に吸収された5-ALAは通常の細胞に移行し、プロトポルフィリンナイン(protoporphyrin IX: Ppl IX)を経てヘム(ヘモグロビンの基)に変化します。このPpl IXという物資はある波長の「青い光を当てるとピンク色に発色する」というユニークな特徴がありますが、通常の細胞では速やかにヘムに変化するためにピンク色には光りません。
しかしがん細胞では正常にヘムを作ることができないため、細胞の中にPpl IXが蓄積します。そこに青色光をあてることでピンク色に発色させてがんの範囲をわかりやすくする技術が光力学診断(PDD)です。

光力学診断を用いた経尿道的膀胱腫瘍切除術(PDD-TURBt)の利点

光力学診断を用いた経尿道的膀胱腫瘍切除術(PDD-TURBt)は光源と光学フィルターこそ必要なもののそれ以外は従来の手術機器と変わらず、技術的にも従来のTUR-Btと差はありません。
方法としても手術前に5-ALAを内服していただく以外大きな違いはありません。

5-ALAの注意点としては光に反応する薬のために手術前後(48時間程度)は強い光を避ける必要があります。

白色光(WL)によるTUR-BtとPDD-TURBtの非再発率の比較

PDD-TURBt目的で当院に受診するには

当院では2023年06月より本治療を導入し、患者様のよりよい治療に貢献するべく努力しています。まずは主治医に相談し予約を取ってもらい、受診の手続きを行ってください。
※主治医の先生へ:現在PDD-TURBt治療に対する専門外来はありません。地域連携室にお電話いただき、受診予約を調整いただけますよう、よろしくご高配のほどお願い申し上げます。
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