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ロボット支援前立腺全摘除術について



ロボット支援前立腺全摘除術は早期の前立腺がんに行われる手術治療です。

従来の開腹術に比べ出血量が少なく、傷も小さいため、低侵襲で行うことが可能です。
具体的にはお腹の複数箇所の1cm~2cm程度の傷からロボットの鉗子を挿入し手術を行います。このため従来の開腹手術にくらべ傷も小さく済みます(下図、左:従来の開腹手術の傷、右:ロボット支援前立腺全摘除術の傷)。また視野を保つために炭酸ガスを利用して気腹を行い手術を行いますが、この気腹により常時圧迫止血されている状態となり、出血量を抑えることが可能となります。

ロボットの鉗子は非常に小さく繊細な動きが可能で術者の手の動きを正確に模倣することが可能です。前立腺は骨盤の底にあるためこの小さく繊細で正確な動きが重要となります。

※図および写真はインテュイティブ社より正式に許可をいただき使用しています。著作権で保護されており、転用は禁止します。

ロボット支援前立腺全摘除術の問題点

手術を行いやすくするために手術は30度程度あたまを下げた状態で行います。しかしこの状態では頭部に血液がうっ滞します。そのため緑内障や脳血管障害の既往のある方は手術が不可能なことがあります。

ロボット支援前立腺全摘除術の合併症

手術の合併症は頻度が少ないが起こりうるものがあります。もちろん細心の注意を払いながら手術を行い、術後の経過観察についてもしっかりとみていく予定です、もし合併症が起こった場合は可能な限り対応を行っております。

【出血/血腫】
前立腺は比較的血液の豊富な臓器であり、輸血を必要とすることもあります。

【感染】
感染によって熱が出たり傷の治りが悪くなることがあります。

【リンパ漏】
前立腺摘除と同時にリンパ節も郭清しますがそれにより術後に体の中にリンパのたまり(リンパ漏)ができることがあります。

【腸管損傷】
前立腺や膀胱の周囲には腸管があり、それを損傷することがあります。必要があれば外科と協議しながら対処していきます。

【腸閉塞】
腹部の手術は一定の確率で腸閉塞が起こる可能性があります。

【大腿部知覚異常/閉鎖神経損傷】
リンパ節や前立腺の周囲には大腿の感覚をつかさどる神経や、股を閉じる筋肉を支配している神経が存在します。それらを障害・損傷する可能性があります。

【尿道膀胱吻合不全】
前立腺を摘出した後膀胱と尿道を縫い合わせますが、その部位の治癒が遅く尿が体内に漏れることとがあります。その場合は尿道の管を長めに留置することで自然回復を待ちます。

【尿失禁】
前立腺がなくなると構造上尿は漏れやすくなります。手術直後は多くの場合尿失禁がおきますが徐々に回復してくることが多いです。

【勃起不全】
前立腺の周囲の神経や血管を切断するため勃起不全は高い確率で起こります。

【開腹術への移行】
ロボット支援手術は傷が小さいという特徴がありますがそれによる視野の限定や鉗子の稼働性の制限という問題はどうしても残ります。状況的に開腹を行った方が良いと判断される場合には開腹術へ移行する可能性はあります。
etc...

前立腺全摘除術とは

①膀胱と前立腺の間
②前立腺と尿道の間
③前立腺と直腸の間

を剥離し膀胱と尿道を吻合する手術です。
手術直後はカテーテルという管がはいっていますが最終的に排尿は袋をつけることなく自力で排尿可能です

早期前立腺癌の他の治療

放射線治療:前立腺全摘除術と遜色ない治療効果をもち、通院で可能な治療ではありますが、放射線治療のあとは組織の癒着や治癒遅延があるとされ前立腺全摘除術は一般的に行うことはできません。通院は約1.5-2カ月程度で土日祝日を除いて原則毎日となります。合併症は頻尿・頻便・出血があります。特に出血については重篤な状態になる方がごくごく少数ではありますがいます。再発した場合は内分泌療法を行う形となります。

内分泌治療(ホルモン療法):前立腺癌は男性ホルモンにより成長することがわかっており、男性ホルモンをほぼなくすことで増殖を抑えられることがわかっています。そのため薬物療法としての初期治療は多くの場合抗癌剤ではなく内分泌治療を行います。

ロボット支援前立腺全摘除目的で当院に受診するには

すでに前立腺がんであることが泌尿器科のクリニックもしくは病院にて診断された状態と考えますので泌尿器科主治医に相談し予約を取ってもらい、受診の手続きを行ってください。
※泌尿器科主治医の先生へ:「ロボット支援前立腺全摘除希望」の専門外来が月曜日と金曜日にありますので地域連携室にお電話いただき、受診予約を調整いただけますよう、よろしくご高配のほどお願い申し上げます。
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