抗がん剤による脱毛予防のための頭皮冷却装置
2019年にがん薬物療法に伴う脱毛の予防を目的にしたPAXMAN頭部冷却装置が、医療機器として承認されています。抗がん剤投与前から頭皮を冷却し、頭皮の血流を低下させることで、毛根に対する薬剤のダメージを減少し、脱毛の予防と脱毛後の回復を早める効果があります。当院では、抗がん剤治療を受ける患者さんの脱毛による苦痛を軽減させるために、2022年7月より頭皮冷却装置PAXMANを導入しました。
治療の実際
頭皮冷却を行う際は専用のキャップを装着した状態で、抗がん剤治療を施行します。抗がん剤投与を行う前の30分、投与中と投与後90分間、連続して冷却します。キャップを頭皮に密着させることにより、高い効果が得られますのでキャップカバーと顎のストラップで強く固定をします。
効果
① 脱毛の軽減
ほぼ100%の方に完全脱毛が生じる化学療法において、半分程度の方がウィッグを必要としない程度の脱毛ですみます。(脱毛が全く生じないわけではありません。)
② 脱毛からの早期回復
ウィッグを必要とする程度に脱毛をした場合でも、化学療法終了3か月後には85%の方がウィッグを必要としない程度まで毛髪が回復します(頭皮冷却を行わない場合は50%です)。
ほぼ100%の方に完全脱毛が生じる化学療法において、半分程度の方がウィッグを必要としない程度の脱毛ですみます。(脱毛が全く生じないわけではありません。)
② 脱毛からの早期回復
ウィッグを必要とする程度に脱毛をした場合でも、化学療法終了3か月後には85%の方がウィッグを必要としない程度まで毛髪が回復します(頭皮冷却を行わない場合は50%です)。
副作用
重篤な副作用はありませんが、ストラップ締め付けによる顎痛(75%)、頭皮冷却に伴う寒気による不快感(68.8%)・頭痛(71.9%)・額痛(40.6%)・めまい(40.6%)・悪心(43.8%)などが報告されています。
対象
乳がんで抗がん剤治療を受ける方(将来的には乳がん患者さん以外への使用も検討しています)
費用
保険診療ではないためこの行為に関わる費用は全額自己負担となります。
頭皮冷却装置の使用料 | 12,100円(税込み)/1回につき |
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頭皮冷却キャップ購入費用 | 93,800円(税込み) |